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大塚薬方6号


第五回少子・高齢化

幼稚園跡地に老人ホーム出来

 わが国の少子化と高齢化におけるさまざまな問題をどう解決するかが、世界に類をみないほどの大きな国家的課題となっている。
こんなことはかなり前から予測されていたことだが、長い間、平和ボケした日本人の大半は、未来永劫、自分自身にそれゆえのさまざまな問題が降り注いでこようとは考えてもみなかった。

 生活水準の向上と医療の進歩によって存命そのものが延びたのに加えて、いわゆる団塊の世代(約八百万人)が還暦前後の歳になり高齢者の仲間入りを目前にした今日、かつて、低年齢者層が高齢者層を支える仕組になっていた人口ピラミッドが逆さの構成になった。
国立社会保障・人口問題研究所がシミュレーションし作成している人口ピラミッドも、この"逆さピラミッド"の形が今後、鮮明になっていくことを明らかにしている。

 その結果、こうした逆さの上部に位置するご当人たちだけではなく、それよりもはるかに下の世代も巻き込んだ問題点が明確になってきたために、にわかに侃侃顎顎の議論が噴出してきたのである。

 とくに年金、医療、介護などを取り巻く社会保障全般にわたってどういう未来像を創り上げていくかということで、政治も行政もああでもないこうでもないと大騒ぎだ。
昨今のマスコミによる報道もこのあたりが中心だ。
ようやく事実認識ができるようになってきたといったところか。
にもかかわらず、今のところ、もつれにもつれた糸をほぐす決め手となる術もなし。

 困ったことに、こうした状況に呼応して、社会全体がナーバスになりネガティブ感が漂ってきた。
「これからの老後は大変だ」「子供たちの将来はもっと大変になる」「生まれてくる子供がかわいそうだ」などといったことが人びとの間でかまびすしく語られるようになり、明るい将来への展望が見えにくくなってきたせいもあって、こちらもまた世界でも指折りの子供を産まない国になってしまったのだ。
少子化である。

 さすがに生まれる子供の数が減ってくれば人口も減る。
ついにわが国の人口は平成17年(2005)を上限に減少に転じた。

国立社会保障・人口問題研究所の人口推計によれば、それでも平成22年(2010)の人口は、昭和55年(1980)のそれと比べれば1101万人多くなると推計しているが、その30年後の2040年になると、1248万人の減少となるという推計結果を出している。
そのときの日本の人口はおよそ1億569万人になるという。

 しかし、これからの地球環境や食糧事情などを考えたら、むしろ人口そのものは減少したほうが適正なのかもしれない。
したがって、問題の本質は総人口の減少ではない。

困るのはこの先、生産労働人口が急減し高齢者が急増することなのだ。
これがここにきて顕在化してきた少子・高齢化の問題の本質である。
「あまり長生きしたくない」といった言葉がよく聞かれるようになったこの国は、いったいどこに漂流していくのだろうか。

「幼稚園跡地に老人ホーム出来」

よもやの現実。

医療の枠組みの中で問題解決に貢献できることは何だろうか。
いやもはや、枠組みの中だけでは解決できまい。
そういう葛藤がいろいろな分野で起こり始めている。