期待も不安もネットと医療

朝日新聞 H13.1.17
インターネット上で公開されている医療情報は、どのくらい信用できるのか、そんな調査をアメリカの研究者が行った。
その結果を紹介した専門誌によると、ある特殊ながんについて調べたところ、約半数のホームページは出所の分からない情報であり、そのうちの6%は間違った情報を載せていたという。

十分に吟味されていないネット情報は利用の仕方によってはトラブルとなるが、患者さんにとって、ネット上で医療や健康に関する情報が公開される価値は大きいと思う。

患者さんが専門家にEメールで質問して回答が得られるとしたら、患者さんにとって紹介状も待ち時間も交通費も特に必要がなく、これほど便利なものはない。

一方、回答する例にとっては、実際に患者さんを診察するわけでもなく、答えたことによって患者さんと主治医の間に悪影響を及ぼす可能性もあるし、責任の問題もある。

しかし、患者さんが治療方針を考えるため、他の医師の意見を求めるセカンドオピニオンが普及していない日本においては、気軽にセカンドオピニオンが得られる場として、今後もインターネットでの医療相談に対する需要は高まっていくだろう。

ネット上の情報の限界と利点を十分に踏まえた上で、活用していくぺきだと思う。