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増えている大腸癌

新聞社不明
 大腸癌は著しく増加しています。
昭和30年頃まで我国は世界で大腸癌が最も少ない国だったのですが、昭和53年には我国の癌死亡の第3位にのし上り、今がら数年後には胃癌にとって代わって癌死の1、2位を肺癌と大腸癌が占めるものと予測されます。

Q:なぜ大腸癌が増えているのでしょうか?

A:一米国在住の日本人二世の大腸癌発生頻度は我国の日本人よりも数段高いことが統計的に確かめられています。
食餌環境の変化、つまり食生活が欧米化したことにより大腸癌が増えてきているといわれています。

Q:一大腸癌の症状はどのようなものでしょうか?

A:大腸は1.5mもある長い管腔臓器です。
肛門に近い部位より直腸、S状結腸、下行結腸、横行結腸、上行結腸、そして最深部が盲腸と呼ばれています。
肛門に近い部位と遠く離れた部位では症状が異なります。
盲腸〜上行結腸では腹部腫瘤や貧血でみつかることが多く、直腸、S状結腸では血便、腹痛などの症状が多いのです。
しかし、これらは癌が進行した時の症状であり、早期の癌はほとんど症状がありません。

Q:一早期に癌が発見されるためには癌検診が重要と思われますが?

A:そうだと思います。しかし大腸検査は胃の検査のように簡単ではありません。
そこで大腸癌検診では便検査によって癌の疑わしい人を選び出し、その人を精密検査するシステムをとっています。
大腸癌の9割以上が便の潜血反応陽性となることから、便を2回検査し、血液反応陽性の人のみを内視鏡または大腸X線で検査します。
通常の検診で100人便検査をすれば、7〜8人が血液反応陽性となります。
このうち1〜2%に大腸癌がみられます。
したがって検診で要精査となっても必ずしも大腸癌があるというわけではありません。
 当院では大腸癌検診の精密検査で年間7〜10例の大腸癌が見つかっており、その8割が早い時期の癌でした。
したがって大腸癌検診の意義は大きいと思います。

Q:大腸の検査にはどのようなものがありますか?

A:大腸X線検査と大腸内視鏡検査があります。
両方とも前日に下剤を服用するなどの前処置が必要です。
大腸X線検査は肛門からバリウムを注人後、空気を入れて検査します。
原理的には胃透視検査に似ています。
大腸内視鏡検査は肛門から盲腸までファイバースコープを挿入し、直接大腸の内腔をみます。
いわば胃内視鏡検査のようなものです。
当院では昨年は大腸X線検査を約2000例、大腸内視鏡検査を約2200例に施行しました。

Q:大腸内視鏡検査と大腸X線検査ではどちらを受けたらよいでしょうか?

A:私は可能な限り大腸内視鏡検査を受けたらよいと思います。
内視鏡検査の方がより小さな病変まで見つけることができるし、X線被爆の心配もほとんどありません。
大腸内視鏡検査に習熟した人であれば最深部の盲腸まで平均4分前後で挿入できますし、10分ぐらいで検査は終了します。
内視鏡検査自体は危険なものではありません。
ただ高齢者の方に挿入の難しい場合があります。
大腸壁の筋力が劣え、弾力性がなくなるためです。
私の場合は70歳以下であれば、まず第一に大腸内視鏡検査を勧めています。
しかし必要があれば80〜90歳の人でも大腸内視鏡検査をしています。

Q:ポリープとはどのようなものでしょうか?

A:大腸の管腔内には、口腔内のように粘膜があります。
その粘膜から隆起したものを全てポリープと呼びます。
ポリープの形状はいろいろあります。
以前は球状ないし半球状のポリープがほとんどでした。
しかし最近五年間は平坦なポリープが著増している印象を受けます。
ポリープのいくつかに癌が存在します。
したがってポリープ自体が重要な問題となってきます。

Q:一大腸ポリープといわれたのですが、どうしたらよいでしょうか?

A:大腸ポリープは当院での内視鏡検査では70歳以上の人で約80%、60〜69歳の人で75%前後、40〜59歳の人で60%前後にみられます。ポリープの大半は直径5mm以下です。
60歳以上ではほとんどの人が大腸ポリープと共存しているといってもよいと思いますし「ポリープがある。」と言われても、ショックを受ける必要はありません。
ポリープの中で悪性を疑われるものと大きなものを切除すればよいのです。
当院では平成6年に約300例に内視鏡的ポリープ切除術を施行しました。
そのうち約12%に早期癌がみられました。
その大部分は内視鏡的切除のみで完治しておりますが、一部の例に癌が比較的深く浸潤しているために、外科的切除を必要としました。

Q:大腸癌の予後はどうでしょうか?

A:早い時期の癌はほぽ完治しています。
しかし非常に進行した癌ではその半数が4年以内に死亡しています。
したがって大腸癌は早い時期に見つければ、治る病気なのです。

Q:大腸癌にならないためにはどうしたらよいでしょうか?

A:欧米化された食餌環境にいる私たちは完全に大腸癌を予防することは不可能でしょう。
しかし脂肪を控えて、野菜などの繊維成分か多くとり、規則正しい排便習慣をつけることが大事だと思います。
また定期的に大腸検査を受けることにより、癌を早期に見つけ、治療して完治できる病気であることを認識してほしいと思います。