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患者さんの為のQ&A

原因不明「直腸肛門痛」完治する?

ほかの病気でないか確認を

1年ほど前からお尻に痛みがあり、肛門科に受信したところ「直腸肛門痛」と診断されました。 痛み止めの薬をもらい、ゆっくり休むようにと言われましたが、原因は不明で、今も周期的に痛みが出ます。 完治しないものかと悩んでいます。(30歳代・男性)
この病気は「一過性直腸痛」とか「直腸肛門神経痛」と言われる疾患です。 その診断や治療にわれわれ専門医でも苦労する疾患で、原因は現在でもよく分かっていません。 患者さんの訴えは、鈍痛から、「夜中に目が覚めるような」「失神しそうな」激痛まで幅広いのが特徴です。 症状も患者さんの表現では「しびれたような」「便やガスがたまったような」と穏やかなものから、「直腸を棒で突き上げるような」「針金で締め付けられるような」「直腸が膨張して割れるような」「針で突き刺すような」と激しいものまで極めて多彩です。 痛みは夜に出ることが多く、5?10分間持続し、まれにそれ以上続くこともあります。 ただ、ほかの病気が原因の場合もありますので、まず、大腸内視鏡検査などによりポリープやがん、炎症でないことを確認して下さい。 肛門の三大疾患(痔核・痔潰裂肛)や、尿器科的疾患(前立腺炎・結石・膀胱腫瘍)、整形外科的疾患(脊髄疾患や末梢神経痛性の病気)でない確認も必要です。 女性の場合、膀胱や子宮内膜症や卵巣腫瘍のみならず周期性のホルモンや自律神経の異常によって同様の痛みが出ることもあります。 以上が原因でなければ、「一過性直腸痛」か「直痛肛門神経痛」となりますが、満足できる治療法は今のところありません。 鎮痛剤はほどんど無効です。 患者さんは神経質で不安定に陥る場合が少なくなく、不安を取り除く心療内科的治療も大切です。 また、直腸を支えている筋肉周囲や会陰部周囲への局所麻酔のブロック注射をするのが有効という報告もあります。
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