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患者さんの為のQ&A

直腸炎の注意点教えて

疾患・細菌など要因特定を

大腸がん検診を受診したところ、血液反応があり、内視鏡検査を受けました。 ポリープやがんは見つかりませんでしたが、直腸からの出血がひどく、直腸炎と診断されました。 1年ぐらい前から、便に血液が見られたりしていましたが、今回は投薬もなく、経過を見ましょうとのことでした。 直腸炎の原因や注意点について教えてください。(50歳代主婦)
直腸炎は、直腸の内側(直く服)に炎症が起きた状態です。 これには多くの原因が考えられます。 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)で生じることもありますし、性感染症が要因となることもあります。 免疫系に障害がある人も発症のリスクが高く、特に単純ヘルペスウイルスやサイトメガロウイルスが原因となることが多いようです。 サルモネラ属などの細菌が原因であったり、抗生物質の使用で腸内の常在菌が減少し、他の細菌が増殖することによって発症することもあります。 直腸炎の典型的な症状は、痛みを伴わない出血や、直腸からの粘液の流出です。 しかし、原因が感染症の場合には、肛門と直腸が激しく痛みを感じることもあります。 診断は、肛門鏡やS状結腸検査で直腸の粘膜を採取して調べ、原因とみられる細菌やウイルスを特定します。 また、大腸内視鏡検査やバリウム注腸検査で、発症部位を調べることもあります。 細菌感染症が原因であれば、抗生物質の投与が最も有効です。 常在菌が減少したのが原因なら、メトロニダゾールやバンコマイシンを投与して、常在菌に取って代わった有害な細菌を駆除します。 ご相談の方は、恐らく特発性(原因がはっきりしない)直腸炎か、あるいは潰瘍性大腸炎の直腸型ではないでしょうか。 内痔核からの出血も否定できませんが、いずれにしても3か月ぐらいしたら直腸内視鏡でその部分を再度みていただくことが大切と思われます。 それで直腸粘膜が赤く荒れているようであれば、組織を取ってみてもらってください。
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