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患者さんの為のQ&A

食事摂取から排泄まで何時間?

消化器通過し20時間で

食べ物を食べてから、消化されて排泄されるまで、普通はどれくらいの時間がかかるものなのでしょうか。 食事後に4・5時間たってからげっぷが出ると、その時に食べた物の味がしますが、そんなに長く胃に残っているのでしょうか。(40歳代・女性)
胃は、何も入っていない時にはほぼペチャンコです。 しかし、食べ物が入るとゴムのように伸縮し、1.5から2リットルほどの容量の食べ物を収めることができます。 一時的に胃に収まった食べ物は、ドロドロとした液になるまで消化されたのち、胃が伸びたり縮んだりする運動によって、チューブから絞り出すように少しずつ小腸へと送り出されます。  送り出すまでにかかる時間は、お米やパンなどの炭水化物で2・3時間、肉や魚などのたんばく質で4・5時間、粘度の高い脂肪などでは7・8時間もかかります。 いつもより多く食べたり、脂っぽいものを食べたりすると、ふだんよりも消化するのに時間がかかり、胃に負担がかかってしまうのです。 また、消化しされなかった食べ物が胃に残ることもあり、それが胃もたれなどの症状の原因になる場合もあります。  「腹八分目」とは、胃の8割を満たす量を食べるということではなく、ゆっくりとよくかんで食事をし、適度な満腹感が得られる量を食べるということです。 よくかんで食事をすることで、唾液の分泌が促進され、消化を助けてくれます。 また、食欲をコントロールする脳の満腹中枢は、食事を始めてから20分ほどでようやく働き始めるため、時間をかけな食事は、少ない量でも満腹感を得ることができるのです。 「おなかがいっぱいになるまで食べないと満足できない」という人は、食べる速度をゆるめて、よくかんで食事をする習慣をつけましょう。  食べ物が排泄されるまでのご質問ですが、例えば1キロの食事をとったとすると、消化器を通る間に消化・吸収され、およそ100グラムにまで減ります。 その最後まで残ったかすが、大便となって排出されます。  食べ物は胃で消化され、小腸に送られます。 小腸は長さが6・7メートルもあり、ここを通る間に、食べ物は様々な消化液によって細かく分解され、栄養として吸収されます。 次いで大腸(1.5から2メートル)に送られ、小腸で吸収しきれなかった栄養素や水分が吸収されます。  こうした過程を経るため、通常ですと、食事をとってから消化器を通過し、大便になるまでに、20時間はかかるのです。
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