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患者さんの為のQ&A

肛門にかゆみ痔の症状か

「切れ痔」の典型出血は要注意

最近トイレに行った時に、便が硬わったためか、少し痛みを感じました。 それから数日がたち、痛みはないのですが、肛門が腫れたような感じでかゆみが止まりません。 これも痔の症状と考えられるのでしょうか。(40歳代・女性)
まず、一般的な痔のお話をしましょう。 人間は立って生活するために、必然的に下肢や肛門にうっ血をきたし、下肢静脈瘤や痔が多くなります。 国民の3人に1人は痔を持っているとも言われています。 痔の原因は、男性では力仕事やお酒、女性の場合は妊娠・出産と便秘がほとんどです。  痔の三大疾患と言われるものを説明しましょう。 俗に「いぼ痔」と言われるものは「痔核」とも呼ばれ、静脈のこぶです。 これが破れると真っ赤な血が飛び散ったりします。 次に「切れ痔」は「裂肛」とも呼ばれ、肛門の入り口にできた潰瘍です。 胃潰瘍の人がおなかを痛がるの同様に痛いものです。 潰瘍が深くなると、肛門の内側にポリープもできてきます。 3つ目は「穴痔」とも呼ばれる「痔瘻」です。 当初は肛門の2?3センチ脇に膿の管ができ、それが破れると1か月ぐらいで痔瘻となります。 おのおの全く違った病態で、十把一からげに「痔」ではないのです。  ご質問の「便が硬かったためか少し痛みを感じた」というのは、まさに「切れ痔」の典型であり、ひどくなれば排便時に激痛を生じ、鮮血が出ることもあります。 次に「肛門が腫れたような感じ」とは、内痔核が腫れて外に出てくる、いわゆる脱肛の始まりだと思います。 「かゆみが止まりません」とは、直腸や痔の周囲から出る粘液の刺激でかゆくなるのです。  痔のほかに肛門周囲がかゆくなる原因として、スキンタグ(肛門皮垂)、カンジダ症、糖尿病、衣服やナプキンの刺激、心因性、下痢症などが挙げられます。 最後になりますが、「痔だと思ったらがんだった」ということもありますので、肛門から出血する方は、一度は大腸内視鏡を受けることをお勧めします。
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