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患者さんの為のQ&A

お腹が張る症状の病気とは

肝硬変やがんの可能性も

以前から、たくさん食べたりした時にはおなかが張るような感じがありましたが、このところ、少し食べただけでも張りを感じ、苦しくなります。 胃腸は丈夫なつもりでしたが、やはり年齢のせいでしょうか。病気だとしたら、どんなものが考えられるのでしょうか。(60歳代・男性)
おなかがふくれたり張ったりする感じを、腹部膨満感と言います。 食べ過ぎや便秘の時には誰でも経験することですが、中には重大な病気の症状の場合もあります。 このような病気を見逃さないことが大切です。  腹部膨満感の原因となる病気は主に2種類に分かれます。 内臓の病気と、小腸や大腸の通過障害です。 内臓の病気で女性に特徴的なのが、子宮筋腫と卵巣のう腫です。 いずれも下腹部にしこりを感じ、子宮筋腫では月経の量がえ、卵巣嚢う腫では下腹部痛がみられるようになります。 早めに産婦人科に診てもらいましょう。  また男女を問わず、胆石症、慢性すい炎、慢性肝炎・変などの持病がある場合にも、ガスがたまっておなかがふくれることがあります。 かかりつけ医と相談し、症状に応じた治療を受けなければなりません。  特に注意すべきなのは、胃・十二指腸潰瘍や消化器のがんです。 このような患者さんでおなかがふくれ、しかも強い腹痛や嘔吐がみられる時は、病変部に穴があいた可能性があります。 至急、入院する必要があります。  一方、腸の通過障害でおなかがふくれる状態としては、まずお年寄りの宿便があります。 特に寝たきりの場合などには、硬くなった便が大腸に詰まることが多く、これが原因となることがあります。 腸閉塞と間違えることがあるので、在宅で寝たきりの場合は、かかりつけ医の往診を受けなければなりません。  これに対して、中高年の方で急に便秘になり、おなかがふくれてきた時は、大腸がんや直腸がんによる通過障害を考えなければなりません。 便に血が混じったり、便が急に細くなったりすることもあります。 いずれの場合も消化器内科にかかって調べてもらうべきでしょう。  緊急を要するのは、急激におなかがふくれて、非常に強い吐き気や嘔吐、腹痛を伴う場合です。 急性腸閉塞が疑われるので、救急車を呼んで入院する必要があります。 原因のほとんどは腸の癒着によるものです。 特に一度でも開腹手術を受けた方は、これを念頭に対処してください。  これまでに挙げた以外にも、腹部膨満感には様々な原因があります。 一時的なものなら心配ありませんが、長く続く時やほかにも症状がある時は、早めにかかりつけ医に診てもらいましょう。
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