MENU

患者さんの為のQ&A

「胃アトニー」治療法など教えて

薬は避け食事療法中心に

もともと胃下垂ぎみだったのですが、先日、無理なダイエットをしたのが悪かったのか、胃痛と全身のだるさにおそわれ、病院で診察を受けたところ「胃アトニー」と診断されました。 症状や原因、食事や生活のうえでのアドバイス、治療法や少しでも良くなる方法があったら教えてください。(20歳代・女性)
バリウム検査で確認して、胃が骨盤よりも下がっていると、胃下垂の状態です。 一般的に、体つきの細い女性に多いのも特徴です。  胃アトニーは、胃下垂が原因で胃の筋肉がたるみ、胃の動きが悪くなることです。 主な自覚症状は、上腹部にもたれる感じがあることです。 胃アトニーだと体重が減少すると言われますが、これは食欲があっても、胃もたれを恐れて食事をあまりとらないことに原因があります。 嘔吐することはあまりありませんが、げっぶやむかつきなどの症状があります。  アトニーの程度が強い時は、頭痛やめまいを生じることもあります。 やせて腹の筋肉が柔らかく、症状のひどい人は、胃の形が外から見でも分かることがあります。 特に食後に下腹部が 膨張してくることが多いようです。 先天的に筋肉の弱い、やせた人がなりやすく、また小さい頃から食べ過ぎの偏向がある人も、胃アトニーを起こしやすいと言われています。  胃アトニー自体はそれほど問題にしなくてもよいのですが、胃がんや神経性食欲不振などと十分に識別する必要があるので、自覚症状が続くようなら精密偵査を受けでおくと安心です。 治療は食事療法が中心で、薬は二の次です。 また、できるだけ神経を胃に集中させないようにし、適度に運動する方がよいと言われます。 薬は、胃の運動が低下しているので緩下剤を用いなくなりますが、習慣性があり、飲まないと便通が起きなくなったりするので、できるだけ避けた方がよいでしまう。  胃の負担を軽くし、栄養を十分にとることが大切です。 水分摂取を少なくし、消化しやすいたんぱく質(豆腐、湯葉、白身魚など)を多くとるようにします。 1日の必要量を上回るぐらいの量をとるように心がけ、できれば食事の回数を1日5、6回に分けて食べます。 炭水化物では、うどん、そうめんなどは消化しやすいのですが、中華めんは油を用いるので、あまり食べない方がよいでしょう。 アルコール類も少量にし、飲み過ぎに注意します。  また、六君子湯などの漢方療法も効果的です。
Copyright(C) Aizu Endo Clinic All Rights Reserved.