MENU

気になる症例集

痔は、生活習慣病の一種
痔は、生活習慣病の一種だ。
お洒の飲み過ぎや便秘、同じ姿勢を続けることによる血行不良も良くない。
会津地方では、かがんだまま田植えなどを行う農家の人も多く、農繁期の後に診察や手術が集中するのが特徴的だ。

 近年は、ダイエットから便秘になり、切れ痔になる10歳代、20歳代の女性も増えた。
こうした患者は全体の約6割を占め、生活を改善すれば痔が小さくなる。
本人が日常生活で不快に感じなければ手術は不要だ。
ところが、肛門周辺にウミの小さな管ができる痔ろうは基本的に手術しか治療法がなく、10年以上たつとがん化する危険性もあるので要注意だ。

 さらに、本当は大腸や直腸がんなのに、出血から痔と自己判断して来院せず、発見が遅れることも珍しくない。
09年、お尻の出血を訴えて当院を受診し、大腸と胃の内視鏡検査をした患者さん延べ4214人の3.2%からがんが見つかった。
出血があれば受診し、40、50歳代以上の人には内視鏡検査を受けてほしい。
恥ずかしくても、わずか数%のがんの確率が否定されれば安心できるし、がんであっても早期に治療を始められる。

 ところで、あまり知られていないのが赤ちゃんの切れ痔だ。
肛門が未発達で傷つきやすい上、2歳頃になると、排便のしつけによるストレスから自律神経を乱して便が硬くなりやすい。

 また、肛門の周りにウミがたまる肛門周囲膿瘍は、大半が3歳頃までに自然に治るが、慢性化すると思春期に痔ろうの手術が必要になる。
痔になったら肛門科を受診し、お漏らししてもガミガミ怒らず、気持ちを安定させて便を軟らかくすることを心がけたい。
Copyright(C) Aizu Endo Clinic All Rights Reserved.