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気になる症例集

薬では直らない痔瘻
痔瘻(じろう)は、肛門(こうもん)粘膜に細菌が感染して化のうし、うみのトンネル(瘻管)ができる病気だ。

「痔瘻は、長く放置しているとがんになる危険性もあるので、早期に治療を。」と、日本医科大学付属第二病院(神奈川県)消火器病センターの渋谷哲男助教授はアドバイスしている。

痔瘻は、粘液を分泌する肛門腺(せん)が細菌に感染することによって、化のうしてうみがたまった肛門周囲膿瘍(のうよう)ができ、そこから瘻管が発生して起こる場合が圧倒的に多い。

「下痢や便秘で肛門に強い圧力が掛かると、肛門腺に細菌が入り込んで肛門周囲膿瘍を起こすのです。
痔瘻の多くは便による細菌感染です。」と渋谷助教授。

その症状は、通常、肛門周囲のうみと痛みのほか、38、39度前後の発熱を伴う。
症状の軽い人が、市販の座薬や軟こうで治そうとする場合もあるようだが、痔瘻の治療には手術が必要だ。
 
「痔瘻は、薬では治りません。軽視して手術しないでいると、そのうち痔瘻がんになる危険性もあります。
症状を自覚したときは、迷わず最寄りの大腸・肛門科もしくは外科で受診すべきです。」 

診断は通常、麻酔をかけて瘻孔を切開し、うみを取り除いてから瘻管の有無を調べる。
とこるが、うみを取り除くと症状が改善するので、それで治療を終えたと誤解する人が少なくない。
うみを取り除くことで、一時的に改善した症状は、そのまま放置していると、再発することになる。

「痔瘻は、感染源を取り除かない限り治りませんが、手術は、痔瘻のでき方によって異なります。
軽い場合は、肛門を切開するだけで感染源を除去できます。
しかし、痔瘻が複雑で深い重症例では、肛門の括約筋を一部切り取り、そこに周囲の健康な筋肉を"補充"することもあります。」 

入院期間は、軽い場合で手術後一週間、重症の場合は二週間近く要するので、早期発見が大切だ。
手術後の日常生活では、肛門を清潔に保つことか最も大事だ。

ストレス、ダイエット、飲酒は、便通異常の原因になるので十分注意したい。
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