医師と率直に話し合うのが大切

朝日新聞 2015年5月14日
「セカンドオピニオンは大切だ」(4月30日)を読んだ。 日本には「主治医に嫌われるのではないか」と思う患者さんが少なくない。 医師と信頼関係が築けず、他の医師を探す目的でセカンドオピニオンを受けたいという人もいる。 いずれにせよ患者さんにとって大事なことは、よい医師に出会うことだ。 患者さんが医師に「先生を信頼していますが、セカンドオピニオンを受けてみたいのです。 再び先生の所に戻って来たい時には受け入れてもらえますか」と率直に言えば、拒否する医師は少ないのではなかろうか。 医師の立場からは、患者さんに「納得できないことがあれば、他の病院の医師の話を聞くのも良い方法ですよ」と言えるのが理想的だ。 実際、こんな話もある。 乳がんの患者さんが、乳房を全摘出するか一部を残す温存療法にするか悩んでいた。 患者さんは温存療法を希望したが、病院は乳房を残すことに熱心ではなかった。 しかし担当医は患者さんの心をくみ、温存療法に積極的な病院を探してセカンドオピニオンを勧めてくれたという。 セカンドオピニオンを専門とする医師を育成し、患者さんが満足できる時間と空間をつくるととも大切ではないかと思う。