シリーズ 食のウソ!ホント!?

食物繊維編

 みなさん“食物繊維”という言葉を聞いたことがあると思います。
食物繊維は、「Dietary Fiber」の日本語訳です。

 一般に“人の消化酵素で消化されにくい食物成分”といわれています。
ここ数年、健康維持や増進にかかせない役割が明らかになってきています。

食物繊維は身体の中をきれいにします

 食物繊維には大きく2つの性質があります。
1つは、腸の中でスポンジのように水分をかかえこみ、それを保持する“保水性”です。
2つ目は、水分を保持しながら、数倍から数十倍にむくらむ“膨張性”です。
身体の中での主なはたらきは、

?おなかの調子を整える
?腸内の有害な物質を吸収し排泄させる
?少量の食物で満腹感をもたらすことです。

食物繊維はこんなにあるの?

 食物繊維は主に“水溶性食物繊維”と“不溶性食物繊維”とに分類できます。
それぞれの特徴は次のようになります。

 “水溶性食物繊維”の特徴は、ねばねば・ぬるぬるしていることです。
海草類や里芋、こんにゃく、野菜やくだものなどに含まれています。
過剰なコレステロールや胆汁酸などの排泄を促進したり、血糖値の上昇をおさえ、腸内の環境を改善する作用などがあります。
ポリテキストロースやアルギン酸ナトリウム、コンニャクマンナン、ペクチンなどの成分が有名です。

 “不溶性食物繊維”は、成熟した野菜などに含まれる糸状に長い筋で、ぼそぼそ・ざらざらしていることが特徴です。
穀類やいも類、野菜などの他に、エビや力二の表皮にも含まれています。
排便を促進する作用や少量の食物で満腹感を得やすくする作用などがあります。
セルロースやリギニン、ヘミセルロース、キチンなどの成分が有名です。

食物繊維は摂取不足?!

 厚生省は「第5次改定・日本人の栄養所要量」(1994年発表)ではじめて、食物繊維の目標摂取量を1日20?25gと設定しました。
食物繊維の摂取量は、1947年には1日平均27.4gでしたが、最近では14g台までに減少しています。
世代別の摂取量を比べると、若年世代になるほどその量が少なくなっています。
エネルギー摂取量あたりでは、30代以下では50%にすぎません。
食物繊維の摂取量は、日本人では平均で1日5?10g不足していることになります。

食物繊維をとりましょう!

 食物繊維が多く含まれている食品は、次のようなものがあります。
ごぼう(3.4g/50g当たり)、ほうれん草(2.5g/75g当たり)、ブロッコリー(3.1g/100g当たり)、こんにゃく(2.2g/100g当たり)、枝豆(2.8g/50g当たり)、干し椎茸(2.7g/8g当たり)、ひじき(4.3g/10g当たり)、キウイフルーツ(2、5g/100g当たり)などです。
身近な食品に多く含まれていますね。
食物繊維は、健康維持や増進にかかせない役割をもった食物成分です。しっかり摂取して健康な毎日を過ごしましょう。