便秘のセルフ・ケアー1

●便秘とは
 排便が順調に行なわれていない状態を便秘といいます。
すなわち、数日に1回しか排便されない場合は便秘と考えられますが、単に排便回数によってのみきまるのではなく、1回の排便量が少ない(35g以下)、便が出にくい、残便感がある場合にも便秘と考えることができます。

●便秘の種類と原因
 便秘は、一般に器質性便秘と機能性便秘に分けられます。
器質性便秘とは、大腸のがん、炎症や他の内蔵が腸を押さえて狭くなって、食べたものが腸の中を通りにくくなり、便秘になるものです。
機能性便秘には、弛燃性便秘、痙攣性便秘と排便困難とがあります。

 弛緩性便秘とは、色々の原因で腸の緊張が低下して、蠕動運動(食べた物を順序よく先へ運ぶ腸の運動)が弱くなって、便秘になるもので、常習便秘の大部分がこの弛緩性便秘です。
また、この弛緩性便秘は、偏食(野菜、穀物の不足)、水分の不足、運動不足や便意をがまんする習慣が原因であるとされ女性に多く見られます。

 痙攣性便秘の多くは、過敏性腸症候群の伴うものです。
腸が痙攣して収縮するため腸の蠕動運動がみだれて、便秘となります。
この痙攣性便秘は環境の変化、精神的ストレス、過労や睡眠不足による自律神経の異常が原因とされます。

 排便困難とは、長期にわたり便意をがまんし続けた場合や刺激性下痢や浣腸を長期使用した場合に、排便反射がおきにくくなり便秘になります。
このように便秘はいろいろな原因でおこりますので、治療には、医師の指導にしたがって、適切な生活管理をおこない、あせらずに治療しましょう。