先生の医療記事新聞集
医師国家試験精神科必修に
読売新聞...
私は医学部在学時代から「なぜ欧来のように医師国家試験に精神科を必修科目に入れないのか」と疑問を持っていた。現行では選択科目となっている。
現代は情報化時代であり、ストレスもたまる。
家族一間でもコミュニケーションがうまく行っていない。
「三時間待って三分の診察」という多忙な診療で、どうして心身の関連性を説得できるか。
ある文献によれば、救急車で運ばれる患者の30%はノイローゼ的疾患だという。
われら一線の救急医が遭遇する過敏性大腸症候群、気菅支ゼン息、脱毛症、自律神経失調症などは、血液検査やレントゲン検査などで異常は判断できない。
「だから病気ではない」とは言えないのである。
検査万能の教育しか受けていないと、異常データのない症例に対処することができなくなってくる。
これは正にロボットが人間を診察しているようで、人間味がない。
これからは心身症、五月病、うつ病などが増えるだろう。
医師国家試験にぜひ、「精神科」必修としてもらいたい。